仕事で帰れない日が続いていた昨今ですが(ブログの更新が無かった言い訳)、先々週から一ヶ月ほどの夏休みを頂いています。
独身社会人の夏休み
さて、夏休みも2週間が過ぎたのですが、何をやっていたかと言うと・・・
- 大掃除
- GTA5(Save 33% on Grand Theft Auto V on Steam)
- GTA4があまり楽しめなかった僕ですが、5はものすごく面白かったです。今、英語字幕にして2週目やってます
- 富士登山(こちらは別途記事にしようかなと)
- 積ん読消化
- 多くの時間を何もせずぼーっと・・・
といった感じで、あまり有意義なことができていません。
特に旅行といった予定も入れておらず、「今日は何をしようかなー」と考えて、結局何もせず終わりな日々でした。
で、そんな日々を振り返ってみて、「ちょっとマズイぞ」と。
もう少し、時間を有意義に使わねばと焦り始めたはいいものの、どうやって時間を有意義に使えば良いかわからない。なんとなくやりたいなということはたくさんあるけど、なんとなく思ってるだけでは結局だらだらしてしまうのは目に見えてる。
人間の悩みなんちゅうのはいつの時代も同じや。そんで本ちゅうのは、これまで地球で生きてきた何億、何十億ちゅう数の人間の悩みを解決するためにずっと昔から作られてきてんねんで。その『本』でも解決できへん悩みちゅうのは何なん?自分の悩みは地球初の、新種の悩みなん?自分は悩みのガラパゴス諸島なん?
上記は、「夢をかなえるゾウ2」の一節です。
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どうやってやるべきことを整理するか。自分にマッチした方法を考えるというのも悪くはないですが、僕みたいな凡人は、もっと賢い人が真剣に悩んで考え出した方法にまずは従ってみる方が確実に良い成果が出せるはずです。
ということで、10年ほど前に一世を風靡したGTDに関する以下三文献を再読し、自分の理解及び気づきをまとめてみようかと思います。(本当は全部について本記事にまとめようと思いましたが、最初の本だけで1.4万文字とかになってしまったので、残り2つはまた別の記事で)
- 作者: デビッド・アレン,田口元
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ひとつ上のGTD ストレスフリーの整理術 実践編――仕事というゲームと人生というビジネスに勝利する方法
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ストレスフリーの仕事術―仕事と人生をコントロールする52の法則
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なお、GTDに関しては、ネットを漁ればわかりやすくまとまった情報がいくらでも出てきます。また、GTDの概要は、すでに頭に入ってます。そして何度も試しています。
が、自分に定着していない。また、GTDを今でも回していて(回せていて)うまくいっているという人は少なくとも僕の周りにはいません。
そんな悲しい現実に対して、GTDがダメだと考えるのではなく、「ちゃんと理解できていないのではないか」、「ちゃんと正しいプロセスを踏めていないのではないか」と疑い、再度ちゃんと本と向き合い、内容を咀嚼した上で再度チャレンジしてみよう、再入門してみようという企画です。
そんなわけで、以下再読した読書感想文もとい読書メモです。
読書感想文もとい読書メモ
いわゆるGTDの原典とされている本です。
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はじめに - さあ、GTDを始めよう!
すでに読んだことがある本の再読なので、こういったイントロダクションは読み飛ばしても良いのですが、あらためて読み直すと発見があります。
あなたが日頃やっていることは、ふたつに分けることができる。ひとつは、興味があったり重要だったり、何かの役に立ったりすることだ。もうひとつは、やりたくはないがやらなければならないことである。前者の場合は、費やした時間とエネルギーに応じた成果をあげたいと思うだろう。後者については、さっさと片付けてほかのことをしたいと思うにちがい無い。
僕のタスク管理の失敗の原因として多くを占めるのが、後者をずっと後回しにし破綻するという有りがちな失敗。GTDでいうと、タスクとして管理はされ、週次レビューもされるのだが、タスクを見るたびに嫌な気分になりつつ当該タスクが実行に移されることは無い という状況である。
さっさと片付けてほかのことをしたい。恥ずかしながらそういう考え方はできてなかったし、「やりたく無いことはずっとやらないでいたい」が基本方針な様なところがあったので、そこは心持ちを変えていきたいなと思った次第です。
第1章 仕事が変わった。さて、あなたの仕事のやり方は?
私が提唱するGTDの柱はふたつある。ひとつは、やるべきことを"すべて"把握しておくということだ。今やらないといけないこと、あとでやること、いつかやる必要があること……大きなことも小さなことも、すべてを頭の中からいったん吐き出し、信頼できるシステムに預けることだ。当たり前のように聞こえるかもしれないが、ほとんどの人はこれができていない(「あなたのやりたいことを今ここですべて見せてください」と言ったら、あなたは見せることができるだろうか)。柱のふたつ目は、人生において常に降りかかってくるあらゆる"インプット"にその場で対処できるようにすることだ。それらが発生したときにどう判断を下し、どういった"次にとるべき行動"を見極めるべきか。これも常識に思えるかもしれないが、ほとんどの人にはそうした習慣がない。そしてその習慣がないがゆえに、日々降りかかってくる「やるべきこと」に振り回され、「あれもしなくちゃ」「これもしなくちゃ」という焦りだけが頭の中で空回りしつづけることになる。
ひとつめについての僕の理解は、曲解かもしれないけど「本を読んでるときにふと何かきになることが思い浮かんで集中できなくなる。そんな時にしかるべきにリストに放り込んでおけば目の前の読書にまたすぐ集中できるよね」といった感じである。
ふたつめについては、いまの僕そのままで「やらなきゃいけないことは色々あるけど、どれも気が乗らないなぁ」と思っているといつの間にかその日が終わっているという状況は宜しく無いよね という理解している。
やるべきことをうまく管理するためのポイントは次のようなものだ。
- 「やるべきこと」が頭の中に居座っていると、心が澄みきった状態を作り出すことはできない。終わっていないと感じているすべてのことを、頭の外の信頼できるシステムに預ける必要がある。そのうえで、定期的にそれらを見直す必要がある。
- 「やるべきこと」に対してあなたが本当にしたいのはなんなのかをよく考え、それを終わらせるために何をしなければならないかを見極めなくてはならない。
- 「やるべきこと」に対してとるべき行動がすべて明らかになったら、それらを思い出す手がかりとなるリマインダーを信頼できるシステムに登録し、定期的にレビューしなくてはならない。
僕がタスク管理に失敗する原因として、2を蔑ろにしているしてるという点があると思う。「それを終わらせるために何をしなければならないか」、これを明らかにする作業は割と苦痛を伴うことがある。なぜなら、「英語ができるようになりたい」を考えるのは楽しいけど「英語をできる様にするために、何をしなければならないか(単語集やるとか)」は、全くもって楽しくなかったりする。
あくまでも、結果が欲しいわけで、その過程は考えるとうんざりする というのは僕だけでは無いと思う。
しかし、結果を手に入れるのであれば過程は経る必要があるのは明らかであり、そこはもう腹をくくるしか無い部分だと思っている。
過程を無視して、できる自分を夢想するのは楽しい。ただしそれでは何も変わらない。
第2章 生活をコントロールする
この章では、GTDのプロセスについて概要を説明している。いわゆる有名な例の図のフローについて、それぞれの要素についての概要を説明している。
以降の章でそれぞれの要素について詳細な説明があるので読み飛ばしがちだが、見逃しがちな重要なことが書いてある。
多くの人が整理術で失敗するのは、これらのステップをいっぺんに終わらせようとするからである。時間がないので、ほとんどの人はリストを作るときに、「もっとも重要そうなこと」の収集にとどめ、具体的な行動については考えることをあまりしない。
要は、ちゃんと各ステップを確実に、提示した順番でやっていけよ と。
GTDって、簡潔な説明がネット上に多く出回ってますよね。で、上の図にある説明をざっと見て、理解した気になっちゃう。そうじゃなくて、ちゃんと意味があって、考えに考えた上でのステップになってるから、ちゃんと遵守しましょうね と。
第3章 創造的にプロジェクトを進めるために
本章では「気になること」を「次にとるべき具体的な行動」に落とし込むためのコツを"ナチュラル・プランニングモデル"という言葉で説明している。
具体的には
- 目的と価値観を見極める。
- 結果をイメージする。
- ブレインストーミングをする。
- 思考を整理する。
- 次にとるべき行動を判断する。
としている。1と2、そして5はイメージが沸きやすいが、3と4が説明無しだとイメージが沸きづらい。
これは、
望んでいることと現在の状況の間にギャップがあることを認識し、そのギャップを埋めるための手段を自動的に模索しはじめる。ただし、このときの脳は、かなり自由にさまざまなことを思い浮かべている。 そこで、次のステップが必要になる。十分な数のアイデアや具体的な可能性が浮かんできたら、それらを「整理」するのだ。
として、説明されている。
いきなり、「これについて何かいいアイデアがあるかな?」と先走るのではなく、GTDを進めていく中でも頭を使ってやるべきことを落とし込んでいくべきだという主張だと僕は理解している。
第4章 さあ、はじめよう
GTDを始めるにあたっては、まとまった時間と作業ができる場所、さらに必要なツールを用意しよう。作業を行う場所は快適なところを選ぼう。そうすれば心理的な抵抗が少なくなり、作業がぐっとはかどるはずだ。一般的には、2日まるまる確保するのが理想的だ。なかなか時間がとれない人は、2日空くのを待つ必要は無い。先延ばしするくらいなら、短い時間でもやったほうがいいし、GTDの原理やテクニックの効果はそれで十分体感できる。「収集」を完全にやると、6時間以上かかる場合もある。次に「収集」したことのすべてを「処理」して「次にとるべき行動」を決定し、外部のシステムに預けるには、さらに8時間はかかるだろう。
GTDを始めるにあたっての、準備編である。ここにかかれている時間は一つの目安である。2章にて、「中途半端にいっぺんにやろうとするなよ」といった話があったが、そこにも通じると思っている。何が言いたいかというと、やはり2日は確保したほうが良いのだろう。
大量の「解決していないこと」を収集して処理するにはかなりのエネルギーがいるというだけだ。長いあいだ放置されていたり、停滞していたりするものに取り組むならなおさらだ。この作業の途中で邪魔が入ると、かかる時間が倍になることもあるので注意が必要となる。
単純に作業量が膨大という話ではなく、上記の様な説明もされている。ここはものすごく同意できる部分で、特に僕は目を背けていたいことにたいして向き合うのにものすごくエネルギーを使う。
また、上記引用で「さらに必要なツールを用意しよう」とあるが、ツールについては以下が基本ツールとして挙げられている。
一からすべてそろえるとするならば、机の上に必要なもののリストは次のような感じになるだろう。
全てが必要であるかというと必ずしもそうでないと思うし、代替が効くものもあると思う。現に、僕は紙の整理についてはスキャナを使ってしまう。なので、クリップやホッチキス、書類トレーやファイルは不要となる。
第5章 収集
ここから、GTDの各ステップについて具体的な説明がはじまる。
この「収集」のプロセスは必ず完全に行わなくてはいけない。それは次のような理由による。
- 取り組まなければならないことの全体量を把握することができる。
- 何をどこまでやれば終わり、ということがわかる。
- まだどこかに気になることがあるかもしれないという意識があると、次に行う「処理」と「整理」に集中できなくなる。注意が必要なものがすべて1箇所にあるとわかっていれば、安心してそれらのステップを行うことができる。
と説明されている通り、まずは気になることを完全に洗い出す必要がある。
この収集のプロセスで特徴的、かつネット上のGTDの説明では省略されていることが多いこととして、いわゆるタスクだけでなく、物理的なものも対象としている点である。
最初にやるのは、実態のある身の回りのもので、あるべき場所やあるべき状態ないものを探し、inboxに入れることである。これらは未完成のものだったり、何をすべきかを判断しなければならないものだ。これらをすべてinboxに放り込み、「処理」に回せるようにしておく。
例では、郵便物、電話のメモ、名刺、引き出しの中に眠ったままになっているもの、配置を変えたい家具なども挙げられている。
たとえば、僕の場合は未読の本、内容が思い出せないが再読したいと思っている本、未視聴のDVD、壁に立てかけられたままのギターなどがinbox行きになる(そして何をすべきか、なぜそれをしたいのかを判断していく)ことになる。
もちろん、そういった物理的なものだけでなく、実体の無いものも対象になってくる。
頭の中のことを収集するには、20分から1時間くらいかかるだろう。おそらく、小さなことや大きなこと、個人的なこと、仕事に関することがランダムに浮かんでくるにちがい無い。 ここで大事なのは、量に重点を置くことだ。取りこぼすくらいなら、やりすぎたほうがいい。 不要なものはあとで捨てられる。最初に「オゾン層を守るために何かできないか」という考えが浮かんできて、次に「キャットフードが切れそうだ」という考えが浮かんでくるかもしれない。それらを全部「収集」してしまおう。
これらをリストアップするために、気づきをあたえてくれるリスト(こういうの忘れてない?リスト)がP.120〜大量に掲載されている。
英語版であれば、GTDの公式サイトから参照できるが、本の方がより詳しく多くの項目が掲載されている。
http://gettingthingsdone.com/wp-content/uploads/2014/10/Mind_Sweep_Trigger_List.pdf
第6章 処理
GTDのステップの「処理」と「整理」は、意識しないと混同しがちである。「処理」は、収集で集めたタスクをプロセスに従いどのリストに収めるか決め、必要に応じてブレークダウン(次の行動を決める)することを指し、「整理」はどのリストに収めるか決めたものをしかるべき信頼できるシステムに転機・属性付け(リマインダー/コンテキストの設定)をすることを指す。
「処理」と「整理」は密接に結びついているので、inboxの「処理」にとりかかる前に、本章と「整理」を扱った次章を先に読むといいだろう。でないと二度手間になるものが出てくる。クライアントを指導しているときも、「処理」の単純なステップと、「処理」されたものを実際に整理システムに組み込むためのやや複雑なステップとのあいだで行ったり来たりするケースは必ず出てくる。
とされているので、その通りにするのが良いだろう。
処理については、前述のフローを以下のルールのもと対応していくとしている。
- いちばん上のものから処理していく。
- 一度に1件ずつやる。
- inboxに戻さない。
これらは、全てを処理する必要があるので、ごちゃごちゃ考えずに上からやっていった方が効率的だし、気が乗らないものが沈み続けるという事態が防げるというのが理由だと理解している。
inboxの中には、行動を起こす必要のないものが一定量混じっているはずだ。これらは次の3つのタイプに分けられる。
- ゴミ
- 保留にするもの
- 資料
ゴミはその名の通り(2重線を引くなり)捨て、保留については「いつかやる/多分やる」リストもしくは「カレンダー」に内容に応じて分類、資料もその名の通り「資料」フォルダ行きにする。
inboxから取り出したものが、行動を起こす必要があるものだった場合、その行動が何かをはっきりさせなければならない。もう一度説明しておこう。「次にとるべき行動」とは、現状を求めるべき結果に近づけるために必要な、目に見える物理的な行動である。
〜中略〜
次にとるべき具体的な行動が決まったなら、あなたの選択肢は次の3つのどれかになる。
- 実行する(2分以内にできるとき)。
- 誰かに任せる(ほかにふさわしい人がいるとき)。
- あとでやる(すぐに実行できなくて、人にも頼めないものは行動の選択肢のひとつとして整理システムに移しておく)。
実行するの基準が2分以内にできるとき となっており、優先度が考慮されてない部分は一つのポイントである。優先度が高かろうが低かろうが、2分以内にできることであればさっさとやってしまおう というのは明快である。
誰かに任せるについては、引き継いだ後にその記録が「連絡待ち」リストに行くことになる。
あとでやるについては、次の整理のタスクにて、「プロジェクト」「カレンダー」「次にとるべき行動」「いつかやる/多分やる」リストに据えられることになる。
第7章 整理
この章では、inboxで「処理」したものを振り分けていく「整理」のステップとそのためのツールについて解説する。inboxに入ったものを「処理」していくと、「整理」の必要なリストが次々に出てくる。その際、それらを収めるための場所やツールが必要なわけだが、最初から完璧なものを目指す必要はない。気になるものを「処理」し、自分にとってベストだと思う場所に組み入れていく作業を繰り返しているうちに、どんなものが必要なのかが自然とわかってくる。
との出だしで始まる章である。つまり、「収めるための場所やツール」に収めることをここでは整理と呼んでいる。
「整理」して管理・把握しておくべきものは、主に次の7つだ。
- 「プロジェクトリスト」
- 「プロジェクトの参考情報」
- 「カレンダー」に記入する行動や情報
- 「次にとるべき行動」リスト
- 「連絡待ち」リスト
- 「資料」
- 「いつかやる/多分やる」リスト
各々の整理対象が上記どれにあたるかは、あまり悩むことは無いと思う。1点気になるとすれば、「いつかやる/多分やる」リストで、ここに入ったが最後、永遠にここに居座ってしまうのではないかという懸念で、いっそリストから消してしまう方がいいのではと悩んでしまう点である(以前チャレンジした時はまさにそうだった)。
これについては、明確に答えが書いてあり
「いつかやる/多分やる」は、ゴミ箱に入れるべきではない。これまで経験したことのないクリエイティブなものや興味深いものが眠いっている可能性がある。
と直接のゴミ箱行きは否定されている。
このリストの意義として、タスクというよりは夢に近いと思っている。レビュー時にこのリストからインスピレーションを受ける、場合によっては一念発起して取り組み始めたりと、必ずしも完了に持って行くことが目的では無いという認識である。
また、次章のレビューの説明において
「いつかやる/多分やる」リストのレビュー:着手したプロジェクトがあれば「プロジェクトリスト」に移動する。関心のなくなったものは削除する。
と、状況に応じて(関心がなくなったものは)削除することも前提になっている。つまり、漠然とした夢の様なものは、"とりあえず"くらいの気持ちでここに入れても何ら問題ないという理解をしている。
そして、1点僕が勘違いしていたものとして、「カレンダー」についても挙げられる。
月曜なら"月曜にやりたいこと"をカレンダーに書いてしまう。そして、そこには絶対に月曜にやらなくてはならないことではなく、火曜日にずれ込むかもしれない行動まで書き込まれてしまうこともある。そのような誘惑にはくれぐれも気をつけよう。カレンダーは「聖域」であり、その日に絶対やるべきこと以外を書いてはいけない。
"いつやりたい"というのは、ぶっちゃけ全てのタスクに対して設定することができる。それはすなわち優先順位付けと何ら変わりがなくなってしまう。GTDの理念が、「優先順位付けなんてしなくても、各リストがしっかりメンテされていれば、その状況に応じて最適なものを実行できるよね」という理念に基づいているので、そこに反してしまう。
何でもかんでもカレンダーにぶっこまない(期限を切らない)というのは、割と重要なポイントだと思う。
本章では、各リストに対して、リマインダーという"属性"を付与することを推奨している。"属性"とは僕が理解のために勝手につけている言葉で、いわゆるタグみたいなものである。各整理対象は、一つのリストにしか入れることができない。「資料」と「次にとるべき行動」の両方に1つのものを入れることはできない。しかし、属性(リマインダー)は複数割りあてることが可能である。「家でやる」かつ「会社でやる」があっても問題無いし、どういった状況で処理するかという「カレンダー」「次にとるべき行動」等とは別の側面での属性付けである。
本書で例として上がっているのは
- @電話
- @パソコン
- @買い物・雑用
- @会社(組織や団体により変更)
- @自宅
- @協議事項(人または会議)
- @読む/評価
などである。
こういった分類がされていると、適した状況で素早くタスクを処理ができる という考えである。つまり、こういったリマインダーを設定するのは行動を起こす必要があるものに対してで、「資料」などには付与されない。「カレンダー」「次にとるべき行動」(プロジェクト配下の次にとるべき行動も含む)が主となる。
第8章 レビュー
やるべきことをやってきて、やっていないことについても、今はそれでも大丈夫という確信が得られなければならない。このように定期的に見直す作業はシステムの機能を維持するために不可欠である。
〜中略〜
あなたの整理システムは、いざ行動をとるというときに、いつでもすべての選択肢が見渡せる状態になっていなければならない。考えてみれば当たり前のことだが、そこまで機能的なシステムを確立している人は実際にはほとんどいない。
上記は本章の冒頭からの抜粋である。レビューによって目指すべき状態が上記の状態と理解している。
ここで、考えると重要な点がある。"いつでもすべての選択肢が見渡せる状態"であることも重要だが、"いつでも全ての選択肢を見渡す"ことも重要という点だ。せっかくレビューして、最新の全てのことがリストかされたとしても、それが活用されないと意味が無い。その日の最初にカレンダーを見て"必ずやらなければならないこと"を確認し、リマインダーを元に今の状況で対応できることを確認し、といった感じだ。
そういった行動の礎となるためのメンテナンス作業として、本書では"週次レビュー"を勧めている。
週次レビューとは、簡単に言ってしまえば頭を再び空っぽにするための作業だ。ここではワークフロー管理の一連のステップを再度行うことになる。すなわち、現在あなたがかかわっているすべてのことを収集・処理し、整理して、レビューするわけだ。それが済んで初めて、「できていないことはすべて把握できているし、その気になったときには実行できる」という確信を持つことができる。
つまり、すでに処理・整理したものがその位置にあることが正しいことを再確認し(関心がなくなったら削除するなど)、新たに生まれた関心ごとを一連のプロセスにかけてあるべきところに落ち着かせる ということを、しっかり時間をとって週に1度やると良いよ という提案である。
しっかり時間をとって の部分を太字にしたのは、本書に以下の様にかかれてるからである。
習慣がみにつくまでは、必要なことをきっちりやらないといけない。週に1度、うまく自分を誘導して数時間、忙しい日常から離れるようにしよう。忙しさから逃げ出すのが目的ではない。より高いレベルからすべてを見直し、システムを最新の状態に保つためだ。
第9章 実行
さまざまな作業に追われる日々の仕事において、ある特定の時間に何をするべきかはどうやって選んでいけばよいのだろう。答えは簡単だ。いままで行ってきた「収集」「処理」「整理」「レビュー」を実行したあとに残っている選択肢の中から、直感を信じて行動を選択していけばいい。ここまでGTDを実践してきたあなたは自分の直感に自信をもつことができるはずだ。逆に「収集」から「レビュー」のプロセスを事前にこなしていない人は、実際に行動を起こすときに自信をもって決断を下すことができない。ほかにやるべきことがないだろうか、と心配しながらおそるおそる思いつくことの中から行動を選んでいくことになるからだ。
上記引用の太字部分は僕が勝手に太字にした部分である。実行のキモは、GTDをやってないと太字な状況に陥るのを回避することにある と思っている。
前章でも感じたことだが、やることをしっかりとリストの中から選ぶ習慣をつけないと、元も子もないのだ。
直感を信じて行動できる とあるが、基準も明示されている。それは
- そのときの状況
- 使える時間
- 使えるエネルギー
- 優先度
とされている。優先度については、あらかじめ設定していたものではなく直感によっての優先度を指している。
さて、ここで実行についての問題が出てくる。
たとえば風呂掃除(やらなくていいならやりたくない)、たとえば英語の勉強(やらなくていいならやりたくない)、たとえば確定申告の書類書き(やらなくていいならやりたくない) といったものをどう実行に落とすかだ。
これについては、本書に書かれている内容ではないが、レビューのプロセスで考え抜くことが大事だと思っている。
本当にやりたくないなら、いっそリストから削除するべきであり、それでもリストに残したいのであれば、なぜ残したいのか考え抜くことで原動力を得ることができる。
つまり、実行に二の足を踏むようなら、レビューのプロセスで再評価する対象となるべきである。ずっとリストの奥底に眠るようなら、いっそ削除することも検討すべきだ。
第10章 プロジェクトを管理する
本章では、プロジェクトの管理方法というよりは、コツ的なものが色々と示されている。
プランニングにあたり、ブレインストーミング、整理、会議、情報収集といった手段があるよね といった話。思考ツールとして良い筆記具をやお気に入りの電子ツール使うと気分良いよね といった話などである。
自分のやりやすい方法でやってもらって構わないが、そのやりやすい方法を見つけるためのヒントとして著者はこの章を設けたのかな と思っている。
「次にとるべき行動」のリストと同様に、「プロジェクトリスト」も最新の状態にしておく必要がある。それができたら、1時間から3時間くらいかけて、それぞれのプロジェクトをさらに上の視点から見渡してみよう。できる人は今すぐ、そうでなくてもなるべく早く、今いちばん関心のあるプロジェクトをいくつか選び、情報やアイデアを収集して整理してみよう。使うツールはなんでもいい。
〜中略〜
大事なのは、ごく自然にアイデアを考えたり活用したりできるようになることだ。エネルギーを効率よく振り向け、求めている結果に必要なときに集中することで、ストレスなく物事をこなしていけるようになるはずだ。
そんな結びで本章は終わっている。
第11章 収集の習慣を身につけると何が変わるか
すべてを「収集」するプロセスを実行していると、ほとんどの人は不安を感じるようだ。〜中略〜これまで面倒で手をつけなかったものが見つかれば、罪悪感だって湧いてくるだろう。「なぜこんなに放置しておいたんだ」と自分を責めてしまうわけだ。その一方で、解放感や安心感、自信のようなものも湧いてくる。不安と安心、もうだめだという感覚と自信という、まったく逆の感情がほぼ同時に起こってくる。これはいったい、どういうわけだろう。
〜中略〜
マイナス感情の原因は、もっと別のところにある。誰かが約束を守らなかったとき、あなたはどんな気持ちになるだろうか。〜中略〜それと同じで、inboxに入ってくるものは、あなたがあなた自身に課した"約束"である。その約束を破ったからこそ、嫌な気分になったのだ。
〜中略〜
自分に対する約束を破ることでマイナス感情が起こってくる。これを避ける方法は次の3つしかない。
- 約束をしない。
- 約束を果たす。
- 約束を見直す。
本章では、収集中に現れる不安についての対処法が記載されている。これはGTDにせよ普段の生活にせよ、重要な話だと思っている。できないものはできない。やりたいならどうやればやれるか考える。当たり前のことではあるが、やることに連ねて放置というのはよくあることである。
言い方を変えると、不安の原因が見えているのだから、不安に思った際は、「本当に遂行できるか?ステップは正しいか?」、場合によっては「これは今やる必要があるのか?将来だったらやる必要があるのか?」と不安にならないところまで掘り下げていけば良いことになる。
第12章 次にとるべき行動を決めると何が変わるか
クライアントとリストを一緒に見ていたときに、「タイヤ」という項目があった場合で考えてみよう。私が「これは何ですか」と尋ねると、クライアントは、「車のタイヤを変えないといけないのです」と答える。次に私は「具体的に、次にやる行動はなんでしょう」と訊く。すると、クライアントは眉間にしわを寄せて考えはじめ、ほどなくこんな結論を述べる。「店に電話して値段を聞いておくことですね」
〜中略〜
タイヤのことは、しばらく前から気になっていた可能性が高い。他の電話のついでに店に電話する機会も無数にあったはずだ。なぜそれをやらなかったのか。電話の前にいるときに、タイヤを替えるのに電話が必要だと思い浮かばなかったからだ。
本の中でも何度も取り上げられている、「具体的な行動に落としておくと、対応しやすいよね」「リマインダーをあらかじめ設定しておくと、しかるべき時に対応できるよね」という部分を再度丁寧に説明している。
この具体的な行動の決め方として、「次にとるべき行動を決めるときは、同時にどれくらい時間がかかるかも添えておくといい。どれくらい時間がかかるかイメージできなければ、それは具体的な行動というには粒度が荒い」という考え方が良い。この考え方は本書ではなく、すでに絶版となっているLifeHack系の本でGTDの説明に添えられていた話だが、なるほどと関心し記憶に残している。
次のとるべき行動を明らかにすれば、よりスマートに不安を解消できるのだ。プロジェクトを全身させるのに必要な物理的行動を見極めることで、あなたはやらなければならないこと、現実から変えなければならないことへのプレッシャーから確実に解放される。状況そのものには何の変化もないものの、行動可能な、完了できるタスクに意識が向くことで、方向が定まてモチベーションや気力が高まるのである。
次にとるべき行動を明らかにする作業においては、嫌々やるのではなく、上記の考えを念頭にポジティブに対応していけば、いくぶん晴れやかな気持ちで作業をすすめられるのかなと思っている。
第13章 望んでいる結果に目を向けると何が変わるか
人生や仕事は、行動とその結果の積み重ねである。日々の営みにおいて、入ってきたことのすべてを、あらゆるレベルにおいてこのような視点で整理していくと、意識の深い部分で変化が起こり驚くような成果が現れてくる。生産性がぐっと高まり、イメージを明確に描きつつ、それらを実現していけるようになるのだ。
〜中略〜
必要なところに集中していくと、他の手法では得られないメリットがもたらされる。人生のあらゆるレベルにおいて効率が高まり、よりよい成果を上げられるようになるのだ。
本書で述べられていることは、上記引用に集約されていると思う。
日々のやるべきこと、やりたいこと、資料などのリストなどなどが適切に管理され、それらがうまくまわると、おのずと人生もうまくいくよね と。
ただ単純にタスクをこなしていく手法と捉えるのではなく、人生をよりよく(本書の言葉を借りるならストレスフリーに)していくための手法として捉えて、そして活用していってね という著者からのメッセージだと思っている。
読み返して
以上で読書メモは終わりです。
当たり前ですが、本1冊になっている内容を、簡潔にまとめるなんてできないんですよね。著者が伝えたいことを詰め込んだ内容が1冊になってるんですから。上記メモは僕が重要だと思ったところや、気づきがあった部分です。他の人が読めば、また違った部分にマーカーが引かれることになると思います。
ここまで読んでくれた人はあまりいないと思いますが、知っているつもりのGTDでも読み返してみるといろいろな気づきがあります。GTDをやろうと思っている/やっている/やっていた な人で、まだ読んでない人は一度読んでみる/読みかえしてみるのも良いかもしれません。
- 作者: デビッド・アレン,田口元
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続けて、本記事では書けなかった、他の2点の本についても再読し、気になったところをメモとしてまとめていこうと思います。
そして、再度GTDチャレンジしてみようかなと思ってる次第です。