英語に関する記事をいくつか書いていますが、いままで「TOEIC300点の僕でもめげずにできる(結果が出るかはわからないけど)勉強法」という論旨で記事を書いていました。
例えば
とか
とか。
これで英語力アップ!となかなか言えないのが心苦しいなぁとずっと思っていましたが、この度客観的に英語力を測る機会、すなわちTOEIC受験の機会に恵まれ、実際に効果あったよ!というのが証明できましたのでご紹介です。
TOEIC300→770の道
TOEIC300点というのは約10年前のスコアだったりします。その後、仕事でもプライベートでも特に英語を使う機会などなく、また勉強する機会もほとんどありませんでした。
そんな中、前の記事の通り読書やゲームに英語を混ぜ始めたのがこのブログを始めたくらいから。つまり3年くらいかけてることになりますね。
で、先日受けたTOEICの結果がこちら。2ヶ月連続で受験しています。
リスニングのスコアが大きく違いますが、最初に受けた方で回答を悩んでいる最中に次の問題文が始まり、試験中に「このやり方じゃダメなのか?回答先に読んだ方がいいのか?」などとパニックに陥って後半撃沈したことが大きいと思ってます。
何が言いたいかというと、TOEICの試験だけで見れば慣れも必要。リーディングも速度重視で解いていかないと追いつかない(僕は両方とも時間切れで一部回答できませんでした(適当にマークはしましたが))というのもあり、自分のスコアがどれくらいか知りたい場合は2回受けると試験不慣れ補正が外れてより正確なスコアがわかるかと思います。
実際に周りで何度も試験を受けている人は、「短期間ではスコアはほとんど変わらない。そういう点ではよくできてるテストだと思う。」という感想を聞きます。
TOEIC770点がどれくらいの力とみなされるかというと、公式的には「どんな状況でも適切なコミュニケーションができる素地を備えている。」という歯切れが悪い言い回しですが、そんな感じらしいです。
英語が苦手な状態から、上記公式資料を信じれば海外部門でもやっていけるよな状態に3年で到達できたというのは、個人的には上出来かなと思ってます。
何かすごい得点アップの秘訣とか無いの?
英語学習の記事は度々バズるのを見かけますが、多くが「○ヶ月で××な成果が出ました!」的な短期学習型が多く、少なくとも僕みたいな凡人には根性的にも時間的にも無理です。そして、勉強嫌いな僕が詰め込み型の勉強をしたところでめげるのは目に見えてます。
ということは必然的に細く長く戦略となるわけですが、勉強の習慣が無い人にありがちな罠である「ふと気づけば最近何もしてない」が頻繁に発生するわけです。1ヶ月気づけば英語に触れてないとかザラです。
で、ここで勉強が嫌いな僕の秘訣ですが、「TOEIC○○点を×月までに!」といった目標ではなく「生活に英語を組み込む」という目標にしたことです。
期間が決まってる目標であれば、ブランクが空くとそこでめげるかと思います。だけど僕の場合は「生活に英語を組み込む」が目標なので、ブランクが空いてることに気づいたら「んー、英語やる気起きないけど、とりあえず海外ゲームでも復帰のとっかかりにやりますかねー」と、少しずつ英語に触れる生活に戻ることができるわけです。
とっかかりとしておすすめは、以前も紹介したことがある、Steamで配信されているゲームでGo! Go! Nippon!が激しくおすすめです。全体的に平易な文章で、誇張抜きに中学英語でOKです(辞書はしばしば必要になりますが)。英語が苦手であっても、日本語同時表示も可能なので、英語に慣れたいという全ての人におすすめしたいです。
前の紹介記事を書いた後にDLCで、Go! Go! Nippon! 2015というのが追加されているので、これは必ず入れましょう。行ける場所が格段に増え、長く楽しめます。
上記を筆頭に、前に書いた様なゲーム&本、その他もろもろネットコンテンツなど、辛いと思わない程度に英語に触れる様にしました。
ネットコンテンツであれば、隙間時間を使って主に以下を活用しました。
読みもの系
一時期は色々と漁ってましたが、最近は数個に収束しつつあります。
英語のはてなブックマーク的立ち位置だと思ってるDigg。海外メディアはその傾向が強いけど、動画コンテンツが多いのがちょっと悲しい。見出しをざっと見て、世の中でどんなことが話題になっているのか見てました。
CIOと名が付いている通り、技術系の中でも言語やフレームワークなどよりもう一歩上の視点で書かれた記事が多い。記事の更新がそこまで頻繁でも無いので、時間をかけて読んでも記事の場所を見失うことが少なく重宝してました。
日本語版もあるmedium。日本語記事でよく見かけるのは技術系記事ですが、英語版をトップページからみるとライフハック系が多いです。
動画・音声系
アルジャジーラをよく見るというと変な目で見られることが多いですが、真っ当なニュースコンテンツです。特筆なのがライブ配信で、24時間いつでも最新のニュースをライブストリーミングで見ることができます。若干中東情勢に寄ってますが、いろんな国の英語を聞けるのも良い。おすすめ
経済ニュースのブルームバーグ。こちらもライブ配信があります。注意点が1つあって、ブラウザからみるとしょっちゅう広告が入ってちょっとイライラします。Apple TVからみると広告がなくなる(といってもその分為替情報表示が長くなる)ので、Apple TVを持っているならそちらからみるのがおすすめです。
あと、ライブニュースでもちろん日本の株式の情報も流れてくるのですが、最近は中国の話も多く、グローバルな経済の中で日本の立ち位置がどんなもんか・・・というのをリアルに感じられるのは悲しいけど面白いです。
こちらはBBCのラジオのストリーミング。海外からBBCのテレビ番組はネット越しに視聴はできないのですが、ラジオはリアルタイムストリーミングで視聴可能です。
個人的な意見かもしれませんが、アメリカ英語よりイギリス英語の方が聞き取りやすいかなと思ってます。
受験前の2ヶ月ほどは勉強もしました
どうせ受けるならちゃんと点数取りたいなと思い、いやいやながらも勉強らしい勉強もしました。
ガイドは定番の「英語上達完全マップ」。
英語上達完全マップ―初級からTOEIC900点レベルまでの効果的勉強法
- 作者: 森沢洋介
- 出版社/メーカー: ベレ出版
- 発売日: 2005/10
- メディア: 単行本
- 購入: 56人 クリック: 1,306回
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これは、勉強の仕方のガイドとしても重宝しますが、モチベーションを上げるのにも重宝します。
この本では、「簡単に英語ができる様になる方法なんて常識的に考えてありえないよね。地道にやっていくしか無いでしょ。」というのが基本コンセプトなので、モチベーションが上がらない時にパラパラ見て地道に頑張るか という気にさせてくれます。
このガイドに従い、日頃読んでいる文章は音読を心がけ、1点圧倒的に足りて無い部分として文法もガイドに従い問題集を始めました。
ユ・スヨンのブレークスルー990 TOEIC® TEST 文法 必殺解答ルール292
- 作者: ユ・スヨン
- 出版社/メーカー: スリーエーネットワーク
- 発売日: 2013/12/12
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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文法の点数をそこまで劇的に取れてない僕が言うのもおこがましいですが、良い本です。解説がすごくしっかりしているので、1問1問なるほど!と思える。
なるほど!と思えない部分、例えば「ここは倒置公文だから・・・」といった「ソレなんだっけ・・・?」という部分も出てきたりするのですが、そこは文法書の定番Forestを横に再学習しつつ進めていきました。
- 作者: 石黒昭博
- 出版社/メーカー: 桐原書店
- 発売日: 2013/12
- メディア: 単行本
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実は別にTOEIC公式問題集も買ってたりするんですが、見比べてとりあえず文法部分は上記問題集でカバーできそうだと判断し、かつ他の部分を満遍なくやる気力もなかったのでほとんど使いませんでした。
- 作者: Educational Testing Service
- 出版社/メーカー: 国際ビジネスコミュニケーション協会
- 発売日: 2016/02/18
- メディア: 大型本
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で、受けた結果が前述の通り680&770といった感じです。
で、その英語力でどれだけ使えるの?
ぶっちゃけ、受身のコンテンツには太刀打ちできません。受身というと、例えば字幕なしで映画の内容を理解するとか、辞書なしで本を読むとか。
ただ、いわゆるコミュニケーションにはそこまで困ってません。少なくとも、仕事で読む・聞く・書く・話すの全てを使う様になりましたが、なんとかなっています。
読む
これは僕の英語の学習の中心なので、辞書さえあればほとんど困りません。そして、仕事であれば書いた人が身近にいたりするので、「ごめん、意味わからないんだけど」といえばOKです。
聞く
これもコミュニケーションにおいてはそこまで困りません。話空いても人間です。こっちが「ごめん、言ってることわからん」を連発すると、ゆっくり話してくれたり、言い回しを変えてくれたりします。
「Excuse me? I couldn’t catch that, would you repeat it?」は僕が一番よく使うフレーズの筆頭ですが、下記IBM資料のフレーズ集丸パクリで困った時は大抵切り抜けられます。
どうしてもわからなかったら、最悪「書いて」っていえばいい訳ですしね。
書く
これも実はそんなにハードルが高く無い。ノンネイティブだし、現状実力が無い訳で、背伸びして高尚な文章を書く必要は無い と思えると(そして思っていい相手だと)格段に楽になります。
単語がわからなければGoogle検索で一発。日本語で同じ助詞が連続すると気になって推敲するけど、英語だと(少なくとも今の僕のレベルでは)文頭にSo, が続いても気にしない。
わからなかったらわからないと言ってくるだろ と開き直るのが重要です。
話す
これはさすがに簡単になんとかなる・・・とは言いづらい。けど、かろうじて何とかなってます。相手に多大な負荷かけつつ。
極端な話、"Is you have vacation when?"みたいな無茶苦茶な文法でも、相手も人間なので言いたいことは汲み取ってくれます。ので、文法はそこまで考えなくても伝わります。そして伝わらない時は聞き返してくれます。
ただ、単語が出てこない時は辛い。一生懸命言い換えを考えることになります。
たとえば、ぱっと思いついたレベルでいうと「延期」postponeという単語が出てこなかったとする(こういうレベルで出てこないのが多かったりする・・・)。そういう時にchange our deadline to ・・・とか言ったりする。
最初の頃は単語が出てこない時にものすごく焦りますが、だんだんと"Sorry how can I say ..."とか挟みつつ、(相手には悪いですが)ゆっくり考えれるようになり、大抵言い換えが出てくるか、相手が何を言いたいか当ててくれます。
つまりなにが言いたいかというと
現状の英語レベル。とてもじゃないですが、これで良しとしちゃダメですよね。
ただ、TOEICの僕のレベルを表す「どんな状況でも適切なコミュニケーションができる素地を備えている。」ってのは間違ってないと思ってます。
正確とは程遠い。ただし、最低限のコミュニケーションができて、悪いところを改善していけば良い。その下地はできてる。
僕の英語の勉強ですが、TOEICのスコアを取るためというよりは、「技術者として生きて行く限り、今後確実に英語の重要度が増してくる」と思ったからです。
決して「英語を話せる様になれば、それすなわち国際線CAさん全ての人と意思疎通が可能になる」なんていう動機ではありません。嘘です5%くらいあります。
英語が使える様になる。魅力的な響きですが、これこそTOEICスコアを上げること以上に一朝一夕ではいかない課題です。
つまり、継続していくしかない。
僕みたいな勉強が苦手な人間でも、例えばゲーム、例えば本、例えばネットコンテンツなど、できる範囲でやっていけば少なくとも下地はできる。長い時間はかかったけど。
そして、きっと続けていけば、もうちょっと自然に使える英語になっていくと信じてます。また数年後、「英語で不自由しなくなりました」みたいな記事が書けたらいいなと思ってます。
英語の記事が世の中腐るほどあるだろうなか、なんでこんな記事を書いたかというと、僕が世の中の学習記事に助けられたからです。
「あー、ほかにも頑張ってる人たくさんいるんだなー」と思える様な記事を読むと、自分もやる気になってきます。
僕の書いた駄文も、誰かのモチベーション維持に貢献できたらな、と思ってたら、思いの外長文になってしまった夏の夜でした。