ばんがろーる?
出張でインドはバンガロール(ベンガルールと改名されたが、まだバンガロールの方がメジャーな呼び名だと思ってる)に来ています。
インドのシリコンバレーなんて呼ばれてるところですね。
ちなみにインドではバンガロール以外にも最近はPune(プネー(でも現地の人が発音するとプネと聞こえる))がインド東のシリコンバレーなんて呼ばれ台頭してきています。
そんな感じでインドではいろんなところでIT業が盛んだったりするのですが、その中でも際立ってるのが今僕のいるバンガロールだったりします。
実際どんなところ?
写真を見てもらうのが一番早いと思うので主にiPhoneで撮った写真を載せてみます。
こんな感じで街中に貼られているビラに技術用語が並んでいたり・・・
今いるホテルから近いところにあるので写真を撮ってみたCISCO、そしてみんな大好きAdobe、他にOracleやIntel、IBM、HP、Dell、Google、Microsoft、SAPなんかも見かけます。有名どころで見かけてないのはAppleくらいなんじゃないか(あるのかな?)というくらいいろんなIT企業が集まっています。それもアホみたいに大きなオフィスで。
WikipediaでIBM Indiaの項を見るとインドで20万人の社員(大半がいわゆるオフショア要員と考えて良いはず)。ヘッドクォーターがあるここに数割いると考えると、それだけでものすごい人数です。
IBM India - Wikipedia, the free encyclopedia
僕がオフィスに行く途中にインテルの前も通りますが、朝はオフィスに入るための渋滞を見かけます。
じゃぁ街中もITが駆使されたハイテク社会になっているかというと
こんな感じで街中にゴミが捨てられ、そのゴミを神聖なはずの牛様がむしゃむしゃしてたり(ちなみにどうしようもなくなるレベルでゴミが山になったら燃やす様です。たまにそんな光景を見かけます)
これはベランダ湖と呼ばれる場所の端っこを今日通った時にタクシーの中かから撮影したんですが、水色に見えるのは泡です。生活汚水とかもうそういうレベルではなく危険物レベルの悪臭がして、過去にはこの泡が燃えたりなどニュースになってたりもします。
【衝撃動画】インドでフワフワの白い物体が大発生! 住民の生活を脅す / 正体は毒の泡 | ロケットニュース24
こうやって街中は日本人の感覚からすると酷い有様です。
インド人の身近なIT
こんな中、インドで急速に発展しているITがあります。ケータイ電話、いわゆるスマホですね。
去年来た時はWindows Phoneもたまに見たんですが、今はAndroidが主流、たまにiPhone(しかし多くはコネクタ形状古いようなやつ)を見かける感じです。Windows Phoneマジ頑張ってくれ・・・
若者たちはLINEではなくWhatsAppというアプリでメッセージをやり取りしています。なおWhatsAppは他の国でもメジャーな地域は多いので、海外行かれる方は導入しておいて損はありません(SMS認証あるので国内で設定しておかないと面倒)。
タクシーを呼ぶにはなんとUberが使えます。UberMOTOっていうのがすごく気になります。バイクの後ろに乗せてもらうんでしょうか?
と、他人事の様に言っているのは、僕がUberを使ってないから。サポートがとにかく遅くて検討はずれで、イライラが極まり使うのをやめました。
ということでインドに行く機会があればお勧めしたい配車アプリは現地法人が展開しているOLAです。
ほとんど似た様なUIですね。僕は休日や平日の夜出かける際は、このアプリを使って車を呼んで出かけています。日本車が配車されたら勝ち、TATAの車が配車されたら負けと思ってますが、今の所勝率は6割くらいでしょうか。
いわゆるリキシャーより安く移動できることが多いです。(↓リキシャー)
そして、いわゆる電子マネーも普及しています。Paytmというのが一番メジャーで、タクシーの支払いやカフェでも使えたりします。また、個人間送金もできたりして、日本だとLINE Payが近い感じですかね
と、こんな感じで街はアナログ、住民はハイテク、そんな街なバンガロールです。
現地の技術者たち
少なくとも僕の周りの日本人より勉強しています。仕事が終わった後、技術系のスクールに行っていたり、オンラインスクールを受講している様な人がとても多い。いわゆる普通の技術者が、です。
そしていわゆるマネージャー層は管理一辺倒かと思えば技術の話にめっぽう明るい。ホント話していてこいつらどんだけ勉強してるんだ?って思うレベルで明るいです。そして頭の回転、決断が早い。
カースト制の名残なのか、凡な人と優秀な人が割と綺麗に分かれるというのが肌で感じた実情なんですが、別にカーストが関係している訳ではなさそうです。Googleの今のCEOのピチャイも普通の家庭出身の様ですし。
で、世界のアウトソーシング先として機能していることからもわかる様に、皆さん英語が達者です。
Rの発音が独特というのはホントその通りで、マルジと言われてマージだった時は「ホント他の国の人たちはこいつらの英語理解できるのか!?」とブチ切れたものですが、慣れるとだんだんわかってきます。
個人的に厄介なのは、Rの発音より速さです。言葉って、思考速度以上で発せれないじゃないですか。こんなところからも彼らの賢さがかいま見えるのですが、日頃英語に慣れてない身からするとホント辛い。
そしてそんな彼らのお給料。同じ様な役職であれば、日本人の月収が彼らの年収と考えるとそんなに遠くないというのが、いろいろ話してみた感想です。
普通に給料聞いてくるからね、彼ら。最初は僕が月収で話してるのに向こうは年収で話していて話がかみ合わなかったの覚えてる。
で、彼らは給料を上げるために、割とカジュアルに転職していくのです。面接に臨むためのゲストカードをもらうためオフィスのレセプションに列ができているなんていうのはよく見かける話です。
ここまできて引っかかりません?
我々の月収が年収の技術者(プログラマーと言いましょうか)。勉強家で、できる人が多い。プログラマーという言葉でくくるなら、いろんな国からいろんなオーダーを受けてる分、経験も豊富。英語も堪能。そしてものすごい人数がいる。
対して我々日本人。彼らより給料を多くもらっている理由は日本人だから。日本の給与水準が彼らより高いから。少なくとも僕は彼らより技術力が高いからではない。残念ながら。
仕事を遂行する能力で長けている点といえば、日本語が使えるから日本のお客さんとやり取りができることくらい。あとは日本の法律や商習慣に馴染みがあるといった点か。
例えば10年後、20年後、このアドバンテージが、どれだけ有用なものであるか。BtoCでいえばGoogleなりFacebookなりAmazonなりグローバルなものが今でも多い中どれだけ有用であれるか。BtoBで言っても、ドメスティックに専念した企業がどれだけ残るのか。基幹にSAPを入れてる企業は今でも多い中どれだけ有用であれるか。
もし他国と比べて日本が魅力的な市場になれば、彼らは日本語を勉強してやってくるかもしれない。一昔前はそういった中国人がたくさんいた。その時僕は彼らと比べて魅力的であれるだろうか。
もし他国と比べて日本が微妙な市場になれば、その微妙な日本で生きながらえるか、他の国に出ることも考えなければならないかもしれない。その時僕は彼らと比べて魅力的であれるだろうか。
僕は、日本が好きで、特にインドにいる今、心から「日本って住みやすい国だし今後もそうであってほしい」と思っているけど、市場というかわかりやすくいえば賃金で、微妙な日本になっていく可能性は低くないと思ってる。
世界 という視点で見た時に、僕の市場価値はどんなもんなんだ? とバンガロールに来ると考えさせられるのです。
オチや答えはない
現在、Adobe、Google、MicrosoftのCEOがインド出身で、良い大学があるというのは大前提として単純に人数が多い分確率論として傑出した人物が出やすいんだろうと思っている。
わかりやすい面としてそういったトップ層、そして各国の最大のオフショア拠点という事実があるインド。それが、平社員である僕が彼らと市場を食い合うとなったら。仕事のポストを食い合うとなったら。
彼らが日本を食いに来るのか、日本では食えなくなって我々が外に目を向けなければならない日が来て戦うことになるのかはわからない。
けど、そうした将来も見据えた上で、僕はどうすべきなのかと考える訳です。
ただし、少なくとも英語ができないというのは戦う上でも武器を磨く上でもお話にならないので、たくさんある「どうすべき」の中で確実に必要な一つとして学習を続けようと誓った今日この頃です。